Hiroya Kurata ‘Summer Hours’

Hiroya Kurata ‘Bridge Fishing 2’ 152.4 x 121.9 x 4.5cm, 2022

日本では3年ぶりとなる、倉田裕也の個展「Summer Hours」が、原宿のアートギャラリーThe Massで開催される。
身近な日常の風景を描く倉田の作品は、その素朴な光や一瞬の光景、言葉では例えられない内面的な感情を絵画に浸透させ、‘今しか描けないもの’ を表現。
本展覧会のタイトル、「Summer Hours」という言葉の通り、夏の明るく眩しいほどの陽の光や、大きな木々から降り注ぐ木漏れ日、はしゃぐ子供たち、水面に映る景色は高く広がる空をも反射させ、満月の月明かりは柔らかくあたり一面を照らしている。

Hiroya Kurata ‘Wild thing’ 183 x 147.5 x 4cm, 2022

作品に登場する人物たちの表情はあえて単純化され、デフォルメを用いた自由な描写によって馴染み深く、キャンバス一面に広がるユーモラスな絵画世界へ観るものを誘う。
世界中を混乱させたCOVID-19のパンデミック以降、自然の中で家族と過ごす時間が増えるなか、身近な景色を被写体とし、自身が撮影をした写真をベースにドローイングを描き起こし、以前のフリーハンドで描くスタイルから徐々に変化を遂げ、キャンバスに落とし込む現在の表現にたどり着いた。

Hiroya Kurata ‘Into the Creek’ 183 x 229.5 x 4.5cm, 2022

色彩豊かな表現は、一見水彩画やクレパス画のようにも見受けられる。 油彩による丁寧な筆のタッチと日常生活の様々な場面からインスピレーションを受け描く構図は時に漫画的である。
日本を離れ、23年間ニューヨークを拠点に活動している倉田は、その傍らで2007年から15年間絵画修復のスタジオで様々な絵画技法を取得しながら働いてきた。 アメリカのアートシーンの移り変わりを見続け、アーティスト同士のコミュニティーやアートに携わる人も数多く生活する環境で、制作活動を続けるにはとても便利な都市だと倉田氏は言う。

自由で個性的なスタイルは、一貫して身近な存在を観察し、マスメディアや大衆文化と対極に潜む内面的な魅力や豊かな感性から見出される景色を独自の目線で解釈し、制作の中で常に探究を続けているものと言える。

個展情報
Hiroya Kurata ‘Summer Hours’
開催期間:2022年8月27日(土)~9月25日(日)
会場:The Mass
所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-11-1
定休日:月曜日、火曜日
開館時間:12:00-19:00

倉田 裕也(くらた・ひろや)
1980年大阪府生まれ。
2003年にパーソンズ美術大学を卒業し、約23年間ニューヨークを拠点に制作を続けている。近年の展覧会では、Ross + Kramer Gallery(ニューヨーク、2018)、Monya Rowe Gallery(ニューヨーク、2019)、Over The Influence(香港、2021)での個展をはじめ、 SPRING/BREAK Art Show(ニューヨーク、2019)での展示に参加している。
日本での展覧会は、Destroy Your Habits(東京、2021)でのKoichi Satoとの2人展、PARCEL(東京、2021)でのグループ展に参加。
個展としてはKOKI ARTS(東京、2019)での展覧会以降、約3年ぶりの開催となる。

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