【EMPORIO ARMANI】 四つの人生が響き合う。モナキが奏でる、未完成のアンサンブル

マエストロ。エンポリオ アルマーニが2026-27年秋冬コレクション“Maestro”で描いたランウェイの舞台は、指揮者を目指す学生たちが集う音楽学校。道を究めた人への敬意とともに、自分の人生の指揮を自分の手で執ろうとする人の姿が、そこに重ねられている。
2026年4月8日、シングル『ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど』で鮮烈なメジャーデビューを飾ったのモナキは、瞬く間に時代の注目を集める存在となった。会社員としてキャリアを重ねた者、芸能の世界を歩んできた者、音楽や舞台で表現を磨いてきた者――。それぞれに異なる時間を生きてきた4人が、自らの意思で選び取った新たなステージは、まだ幕を開けたばかりだ。

EMPORIO ARMANI 2026-27年秋冬コレクション
 “服が主役になるのではなく、着ている人を主役にしてくれる”
今季のコレクションは、ツイードやヘリンボーンといった英国の伝統素材を背骨に、洗いざらしのデニムやクリーンな白シャツを織り交ぜた構成だ。
今回、モナキの4人がまとったのは、それぞれ趣の異なる二つのルック。「服が主役になるのではなく、着ている人を主役にしてくれる」と話す、サカイJr.の言葉通り、端正さのなかに遊びを忍ばせた服が、異なる個性を持つ4人の輪郭を鮮やかに浮かび上がらせた。

純烈のリーダー・酒井一圭がプロデュースを手がけ、純烈の弟分としてデビューしたモナキ。おヨネ、じん、サカイJr.、ケンケンからなる4人組歌謡コーラスグループだ。親しみやすいキャラクターと予測不能な掛け合い、どこか懐かしくも、令和の時代にはかえって新鮮に映る存在感で、幅広い世代から人気を集めている。

——撮影お疲れ様でした。実際に衣装に袖を通して、どのような印象を持ちましたか。
おヨネ 私が着たアウターは本当にふわふわで、着心地がよかったです。スカーフのようなアイテムも合わせていただいて、普段は選ばないスタイルに挑戦できたのもうれしかったですね。この服でラグジュアリーなホテルへ行って、おいしいビュッフェを食べたいです。
ケンケン 最近みんなでホテルのビュッフェに行ったから、その影響を受けてない(笑)?
おヨネ 少し受けているかもしれません(笑)。
ケンケン 僕は、カジュアルにもフォーマルにも振れる、いい意味での二面性を感じました。特にデニムのセットアップは、街を歩くのはもちろん、ブーツを合わせてバイクに乗るのもかっこよさそうだなって。絶対に転べませんけど(笑)。
サカイJr. 僕はロングコートを羽織って、冬の丸の内を歩いてみたいです。丸の内はカジュアルなお店とフォーマルなお店が共存していて、街自体に二面性があると思っていて。イルミネーションのなかをあの装いで歩いたら、気持ちがよさそうですね。
じん 僕はむしろ、いつも飲んでいる赤提灯の店へ着て行って、みんなを驚かせたい。あえてギャップのある場所へ行くっていうのも乙じゃないですか。でも、絶対に汚したくないので、上からビニール袋をかぶります(笑)。
ケンケン それだと服が見えないけどね(笑)。

——服をまとったことで、撮影中の意識も変わりましたか。
おヨネ そうですね。鏡を見て、「服でこんなに変わるんだ」って驚きました。普段の撮影では満面の笑顔が多いんですけど、今日は真顔のほうが服の魅力が映えると思って、クールな感じで挑みました!
じん 僕が着た服は、とにかくシルエットがきれいでした。僕自身、普段から服のラインにはこだわるんですけど、曲線と直線の見え方がすごく美しくて。腕の曲げ方や首の角度も、服に導かれるように自然と決まっていきました。
サカイJr. ラグジュアリーなブランドでありながら、服だけが前へ出るのではなく、着る人の個性を引き出してくれる感覚もありました。服が主役になるのではなく、着ている人を主役にしてくれるというか。そのおかげで、「自分はこう見せたい」という意思も自然と生まれる気がします。

“装いは、自分を奮い立たせるための「装備」”

——皆さんは普段も、服によって気持ちを切り替えることがありますか。
じん 僕はアクセサリーに現れますね。「今日は行くぞ!」という日は、自分のなかで“フル装備”と呼んでいる組み合わせがあって。ある意味、鎧に近いかもしれません。逆にデートや飲みに行く日は、気合いを入れすぎるとかっこ悪いので、素材にこだわったものを一点だけ。小さな部分に気を配るようにしています。
ケンケン 僕も行く場所によってかなり変えます。「今日はかましておかないと」という場では、ちゃんとなめられない格好をする(笑)。
サカイJr. 言い方(笑)。
ケンケン ジャケットやセットアップできちんと見せたり、ひと目で伝わるブランドの力を借りたり。着る服によってテンションが変わるタイプなので、鏡を見て「今日、いいじゃん」と思えることは大事です。今回の撮影も、かっこいい服を着ているんだから、かっこよく撮られなければ、という気持ちになりました。
サカイJr. 僕は会社員時代、ジャケットやネクタイで気持ちを切り替えていました。モナキになってからは、イヤーカフやネックレスがその役割を担っていますね。立場や環境が変わると、自分を奮い立たせるアイテムも変わるのかもしれません。
おヨネ 私は、服にまつわる思い出を大切にするタイプです。大学生の頃、後輩からもらったチェックのシャツがあるんですけど、大事な場所やオーディションではそれを着ています。モナキのオーディションにも着ていきました。「あの人が一緒にいてくれる」と思えるというか、お守り的な存在なんです。
じん かわいいエピソードだね。

“経験は挑戦をためらう理由ではない”

——皆さんはそれぞれ別の人生を歩んだのち、モナキとして新しい道を選びました。一度キャリアを築いてから、再び新人になる。その一歩を踏み出せたのはなぜでしょう。
おヨネ 私は高校生や大学生の頃からオーディションを受けていたけど、ずっと落ち続けていたんです。今振り返ると、当時はすべてを懸けて踏み出す勇気を持っていなかったのかもしれません。でも一度会社員になって、「自分は会社員としても生きていけるんだ」と思えたことで、それが自信になった気がします。
「挑戦がうまくいかなくても、また戻ってくればいいや」って。だから、以前よりも軽やかに一歩を踏み出せたと思います。
サカイJr. 僕は10年後の自分を想像して、いま何をするべきかを考えていました。そんななか、当時勤めていた会社で落合陽一さんと仕事をご一緒したんです。そこで、AIが急速に広がる一方で、人と人が直接向き合うことや、誰かの心を動かすというアナログの価値は、これからもっと高まるんじゃないかと感じていて。もともと、人がワクワクしている姿を見るのが好きなんです。それまでは会社の看板を背負って、サービスや空間を通じて多くの人を楽しませてきましたが、今度は一人の人間として、目の前の人をワクワクさせてみたい。その思いとオーディションのタイミングが、ちょうど重なったんです。もし、タイミングが違ったら応募してなかったと思いますね。
——じんさんとケンケンさんは、すでに芸能活動の経験があるなかで、もう一度挑戦することに不安はありませんでしたか。
ケンケン なかったですね。僕はずっと大事にしていることがあって。それは、信頼する人から「これをやってみたら?」と言われたことは一度試してみること。経験を重ねるほど、自分の考えに固執してしまうこともあるけれど、人の言葉を受け入れて動いてみることで、道が開けることもあるじゃないですか。モナキへの挑戦も、まさにいろいろなタイミングが重なった結果でした。周囲の人に恵まれてきたと思いますし、まず信じてやってみる素直さは、これからも大切にしたいです。
じん 僕も、信頼する友人にオーディションを勧められたことがきっかけでした。あのとき「でも」「だって」と言っていたら、きっとここにはいなかったですよね。ケンちゃんも言っていましたが、すべてを鵜呑みにする必要はなくても、まずは一度やってみることが大切だと思います。経験を重ねるほど、始める前から「きっとこうなる」と先回りして考えてしまう。だからこそ、ときには素直に「はい」と言って飛び込むことが、人生を大きく動かすのかもしれません。
——何かを選択・決断ときに大切にしている基準はありますか?
じん 自分がときめくかどうかです。音楽や映像、舞台の仕事をしていると、いくつもの選択肢から一つを選ばなければならない場面があるんです。どちらも同じくらい魅力的なら、自分の心がより動くほうを選ぶ。モナキという道を示されたときも、「ここなら、ときめける気がする」と思ったことが、挑戦を決意する大きな後押しになりました。

“それぞれの道から、何度でも帰ってこられる場所へ”

——今後、モナキとして磨いていきたい部分はありますか。
おヨネ 私はおしゃべりが苦手で。誰かの話に乗ることはできるんですけど、自分から会話を動かしていくのがあまり得意ではないんです。もう少しできるようになりたいと思いながら……流れ星に祈っています(笑)。
じん おヨネは(星のように)輝いているよ。
ケンケン 僕は歌もダンスも、まだまだ磨くところばかりです。そのうえで、チームとしてまとまるべきところでは、きちんと一つになる。遊ぶところと締めるところ、そのメリハリをもっと強くしたいですね。
じん 僕は、4人それぞれの“成立力”を高めたいです。グループにいると、どこかで自分を「4こ1」として考えてしまう。だからこそ結束力も高まるけど、でもそれって諸刃の刃で、依存してしまうというか。一人で舞台に立って、話して、歌って、お客さんを満足させられる4人が集まったほうが、グループは絶対に面白くなると思うんです。
おヨネ 以前、ステージで3人のマイクが入らなくなってしまったとき、じんさんが一人ですべて歌ってくれたことがあって。ありがとう♡
じん どういたしまして(笑)。
おヨネ それこそじんさんが成立力を磨いているからできたことだと思います。次に3人のマイクが止まったときは、私が全部歌えるようになりたいです。
ケンケン なかなか起きないと思うけど(笑)。
サカイJr. 本当に何が起きても一人で立てる力を持つことは、結果的にグループのためにもなると思います。
——10年後、モナキはどんな存在になっていたいですか。
じん 10年後には、それぞれが別の分野でも活動している気がします。歌手だったり、バラエティだったり、音楽制作だったり、僕なら起業しているかもしれない。そのなかで、年に一度でも4人が戻ってこられる場所としてモナキが残っていたら、すごくいいですよね。モナキがあるから個人で挑戦できて、個人で得たものをまたグループへ持ち帰る。そういう関係に進化できたら、みんなが幸せだと思います。
サカイJr. もうすでに、4人が得意とすることや輝ける場所は違う気がしています。それぞれが外へ出て、自分の強みを見つけて、それを持ち帰る。アベンジャーズのように、4人が再び集まった瞬間、大きなエネルギーが生まれるグループになれたらいいですね。

一度築いた場所を離れ、再び新人として歩き始めたモナキ。誰か一人が指揮を執るのではなく、四つの意思が互いの音に耳を澄ませ、ときに調子を外すことさえ楽しみながら、まだ名もないアンサンブルをつくっていく。その自由で予測不能な歩みこそ、モナキだけが奏でられる“Maestro”のかたちなのかもしれない。

(プロフィール)
モナキ/純烈・酒井一圭プロデュース「セカンドチャンスオーディション」の合格者を中心に結成された、じん、サカイJr.、ケンケン、おヨネからなる平均年齢34歳の4人組歌謡コーラスグループ。 2026年4月8日、「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」で純烈の弟分グループとして日本クラウンよりメジャーデビュー。
デビュー前から同曲のキャッチーなサビやユニークな歌詞、ダンスがSNSを中心に話題となり、SNS総再生回数はデビューから約半年で20億回にのぼり「TikTok上半期トレンド大賞2026」で大賞を受賞した。テレビや雑誌などでも注目を集め、大衆の支持も得る。
デビュー4か月で初のZeppツアー(大阪・名古屋・東京)を成功させ、11月には福岡・札幌で追加公演も決定するなど、幅広い活躍をみせている。

Photographer : Seiya Fujii
Styling : Masahiro Hiramatsu
Hair : Ken Yoshimura
Make – up : Shino Ariizumi
Interviewer : Mihoko Saito

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